インプラント治療に年齢制限はあるのでしょうか?
骨の成長がほぼ完了する16歳以上であれば年齢制限はありません。
『100歳でも大丈夫か?』ということにもなりますが、
大丈夫です。
年齢は関係ありません。
年齢が高い患者さんの方が リスクが低いことも考えられます。
例えば20歳代でインプラントをしたとします。
80歳まで生きたとすると 後60年はインプラントが問題なく機能しなければなりません。
その間には歯周病になるリスクもありますし、
噛み合わせによる問題が起る可能性もあります。
インプラントを埋入した時の年齢が若くても 人間ですから 必ず老いていくものです。
当然、若い方の方がインプラントの使用年数は、長くなりますので、
さまざまなトラブルが起る確率も高くなります。
高年齢であっても インプラントを行うのに問題はありませんが、
全身的な問題により できない もしくは リスクが高くなることがあります。
口腔内に問題(歯周病や噛み合わせ等)はなくても
高血圧、
コントロールされていない糖尿病、
骨粗鬆症、
脳硬塞の既往(脳硬塞があった時から6ヶ月はインプラントができません)、血液疾患
等がある場合にはインプラントは難しくなります。
年齢が高くなればなるほど こうした病気をお持ちの患者さんは多くなります。
高年齢 ということだけで インプラントができないことはありませんが、
全身的な問題はどうしてもでてきます。
現在全身的に問題をかかえているが、インプラントを行いたいという方は担当歯科医師と医科の先生との連係が大切になってきます。
私自身は、90歳近くの患者様でインプラント治療を行ったことは
何度もあります。
抜歯ができる方であれば、基本的にインプラント治療は可能です。
以下は、全身的な病気とインプラントとの関係になります。
禁忌症1:重度の糖尿病はできない可能性がある!
糖尿病が進行すると 抵抗力や免疫力が低下し、歯周病を引き起こしやすくなります。
また、インプラント埋入後に 骨とインプラントが接合しないで失敗に終わるケースもあります。
しかし、全ての糖尿病患者様がインプラントが禁忌ということではありません。 血糖値のコントロールがうまくできていれば、インプラント治療も十分可能になります。
絶対的な基準というのはありませんが、
1 空腹時血糖値が150以下(状況により200以下であれば可能)
2 HbA1-cが7%以下(状態により8%以下であれば可能な場合があります)
3 尿ケトン体(―)
4 重篤な合併症がない
であれば、ほぼ問題はないといえます。
しかし、このような数値でも通常の方よりは 感染のリスクは高いため、
十分な注意が必要です。
また、現在糖尿病で通院されている場合には、必ず内科主治医との連絡をとって行えるかどうか決める必要性があります。
* HbA1-c(過去1ヵ月の平均的な血糖値)
禁忌症2: 血圧が高いとインプラント治療はできないのか?
血圧が非常に高い場合、インプラント治療は難しい場合があります。
ただし、血圧が高くても 内科で治療を受けていて血圧の症状がきちんとコントロールされており、麻酔が出来る状態であればインプラント治療は受けられます。
血圧が高い場合には、糖尿病とは違い治療後の治癒が悪いということではありません。
問題なのは手術中です。
インプラントは 手術を伴うものです。
今まで、行ったことがない治療であったり、手術と聞くと 誰でも緊張するものです。
この緊張が 血圧の上昇を起こす原因になります。
緊張で血圧が上昇するケースがありますから、高血圧症であることが事前にわかっていれば、静脈内鎮静法を行ってインプラント治療を行います。
静脈内鎮静法を行うと 治療中のことは ほとんど覚えていない状態になります。
眠っている間にインプラント治療が終了することになります。
治療に不安を持っている患者さんには 最適な麻酔方法です。
方法としては、点滴をするように 血管内(静脈内)に麻酔液を入れます(流します)。
麻酔が効くまで5〜10分程度です。
後はインプラント治療が終了するまで寝ている状態です。
静脈内鎮静法は、治療中ほとんど寝ている状態で処置が行えますので、緊張等による血圧上昇を抑える 効果的な麻酔方法です。
高血圧だからインプラントができないということではなく、安定していれば、それが上昇しないように手術を行うことが大切です。
禁忌症3: 腎臓病の方はインプラント治療が可能か?
腎臓病には軽いものから 重いものまであり、その原因も治療法(食事制限や薬の服用、透析、移植等)もさまざまです。
そのため、腎臓病の方は、全てインプラント治療ができないということではありません。
ただし、腎臓病の方は、免疫力が低下しているため傷が治りにくく、骨との結合も難しくなります。
また、インプラント治療の際に服用する抗生剤や鎮痛薬等の使用制限もあります。
人工透析を受けている方では、血液の循環をよくする薬を服用するため、
外科的処置をした時に止血しない場合があります。
そのため、人工透析を受けられている方はインプラント治療の際には注意が必要です。
病状にもよりますが、基本的に腎臓病の方はすぐインプラント治療が可能ということにはなりません。
担当医師との連携により相談しながら可能かどうか判断していきます。
禁忌症4: 心筋梗塞、脳梗塞、脳卒中を起こしてから6ヶ月以内!
心筋梗塞、脳梗塞、脳卒中を起こしてから6ヶ月以内はインプラント治療が禁忌です。
アスピリン、ワルファリンといった 抗血小板薬や 抗凝固薬を服用されている方は、こちらをクリックして下さい。
インプラントという治療自体は、特別な治療法を除いて さほど心配されるものではありませんが、万全な体制でのぞみたいものです。
また、服用している薬について分からない場合にはその薬を直接お持ちになっていただければ、歯科医院で分かります。
禁忌症5: ガン(癌)の治療で現在 放射線治療を行っている方は 基本的にインプラント治療ができません。
特に顎骨に放射線を受けている場合には、外科処置は 禁忌です。
また、麻酔を行うこと自体も危険です。
歯科麻酔により骨髄炎を起こす可能性があります。
そのため、インプラント以外の 通常の歯科治療においても注意が必要です。
特に口腔領域の悪性腫瘍に対する放射線治療後は口腔内の炎症が起ったり、骨髄炎を併発していることが認められます。
また、放射線治療後には 唾液の分泌量の減少が認められることがあります。
唾液の分泌が少なくなると、虫歯や歯周病が起る確立が高くなります。
そのため、放射線治療後には口腔内の管理をきちんとしておかないと
虫歯 や 歯周病になった場合でも治療が難しいことがあるため、注意が必要です。
ただし、放射線治療後に一定の期間が経っている場合には、医科担当医(放射線科医)との相談によってインプラント治療が行える場合もあります。
放射線治療後にインプラントをご希望の場合にはまず、担当歯科医師に今までの治療経過の詳細を伝えて下さい。
禁忌症状6: 骨粗鬆症の場合、インプラントができないことがある
結論から言いますと、絶対的な禁忌ではありません。
その理由として、骨粗鬆症の方にインプラントを行い、その経過を観察した研究においては特に問題はないという論文が多数あります。
しかし、骨粗鬆症の程度にもよりますので、主治医との綿密な連携が必要となります。
骨粗鬆症であってもインプラント治療はあきらめることはなく、きちんと検査を行い、その結果次第では十分可能です。
しかし、骨粗鬆症の治療として『ビスフォスフォネート剤』を使用している方は禁忌になります。
ビスフォスフォネートは、骨の代謝が止まってしまい 骨が溶けるのを防ぐ反面、骨の治癒も起きませんので インプラント治療は 禁忌になります。
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