・抜歯即時インプラント
・切開しないインプラント治療
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・インプラントのための抜歯術
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・カンチレバーによる治療方法とは?
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インプラント治療(応用編)


切開しないで、抜歯と同時にインプラント埋入

1.はじめに
インプラント治療は もちろん手術を伴う治療ですが、患者さんにとってはできるかぎり簡単に行いたい というご希望はあるかと思います。
この項目では、抜歯と同時にインプラント埋入を行い、なおかつ切開、縫合を行わない 抜歯即時インプラント をご紹介します。
このページは、抜歯即時インプラントについてかなり詳しく書いてあります。
そのため、情報量もかなり多く、1項〜12項までありますが、
全て読めば かなりのことが分かります。

*ただし、抜歯即時インプラントは、全ての症例に対応できるものではありません。

 

2.症例を見てみよう!
 写真1は初診時の状態です。
前歯が折れているのがわかるかと思います。(*印)
さらに この歯は 虫歯となっており、歯を保存することはできない状態でした。
写真2は その時のレントゲン写真です。

以下、インプラントの手術時から型を取る状態、最終的な被せ物を行った状態まで治療の一連の流れを写真とともに解説していきます。

 

3.治療ステップ 1
 写真3は 抜歯をした状態です。
写真4は 切開をせず そのままインプラントを埋入しているところです。

 

4.治療ステップ 2
 写真5は インプラント埋入後 蓋をした状態です。
この後 両隣の歯と仮歯を接着材で固定します。
金属の蓋は見えることはありません。
写真6は インプラント埋入後、3ヵ月の状態です。
骨とインプラントが結合 するまで 仮歯 の状態でお待ちいただきます。

 

5.治療ステップ 3
 写真7は 金属の蓋を取った状態です。
写真8は インプラントに土台を装着した状態です。
これから型を取り、10日程度で最終的な被せ物は完成します。

 

6.治療ステップ 4
 写真9と10は 型を取っているところです。
インプラントの型は このような専用の型を取る器具を使用します。
型を取った後 約10日後に来院していただきます。

 

7.治療ステップ 5
写真11は 最終的な被せ物を装着した状態です。
写真12は その時のレントゲン写真です。

 

8.さらに詳しく解説!(抜歯即時インプラントが開発されるまで)
以前は、抜歯した部位にインプラントを行う場合、
まず、抜歯部が治癒するまで2〜6ヶ月程度待ちます。
その後 インプラントを埋入します。
さらに インプラントと骨が結合(くっつく)するまで 6ヶ月程度待ちます。
その結果、抜歯し、インプラントを埋入した場合、
最終的に噛めるまでにトータルで、
半年以上の治療期間がかかっていました。
これは、治療期間が非常に長くなり、患者様にとっては、大変なことです。

このような問題点を解決すべく、 I T I インプラント(ストローマン・インプラント) は、1999年に骨との結合期間を大幅に短縮する SLA表面インプラント ” を開発しました。
この SLA表面インプラント ” により インプラントと骨が結合する期間は、最短で6週間という 非常に短い期間になりました。
これが、インプラントの治療期間の短縮に大きく貢献しました。
この詳細については、以下を参考にして下さい。
* I T I インプラント(ストローマン・インプラント)とSLA表面

しかし、抜歯した後にインプラントを埋入するためには、他にも問題があります。
抜歯と同時にインプラントを行う場合、抜歯部の穴の大きさと インプラントの太さ(幅)には 違いが生じてしまいます。
通常、抜歯部(抜歯した穴)の方が 幅が大きいので、インプラントの周囲には隙間(ギャップ)ができてしまいます。
この隙間を埋めるために、骨再生治療(GBR法) という特殊な方法が用いられてきました。
この治療法を用いると インプラントと骨との隙間に 骨を再生させることが可能になります。
しかし、あまりにも インプラントとの隙間が大きかったり、
インプラントの初期安定性が得られない場合には、適応しづらいこともありました。
また、骨再生治療(GBR法) は、技術的に難しいことも多いため、抜歯と同時のインプラント埋入には限界がありました。
このため、通常は、先に記載したように 抜歯した部位が治ってから インプラントを埋入していました。
GBR法の詳細は、以下を参考にして下さい。
1.骨再生治療(GBR法)
2.GBR法の限界

こうした問題を解決すべく、I T I インプラント(ストローマン・インプラント)は、2003年にまったく新しいタイプの『 I T I TE(R) インプラント 』を開発しました。
この新しいインプラントは、抜歯した部位への使用を目的として 開発されたもので、抜歯部との隙間を最小にすべく、テーパー上の形態(図1)になっていることと、骨との安定をよくするためピッチ(ねじ山の間隔)が狭められています。(図2)

以下の写真が『 I T I TE(R) インプラント 』になります。
インプラントの尖端より 上部の直径(幅)が広くなっています。

 

9.今までのインプラントと『 I T I TE(R) 』との比較
下の図は、従来のインプラントと I T I TE(R) インプラントの比較です。

   @ は、抜歯前の状態です。
   A は、抜歯直後の状態です。
   B は、従来のインプラントです。
   C は、I T I TE(R) インプラントです。

 

10.抜歯即時インプラント症例!
従来型インプラント症例
まず、従来のインプラント症例から見ましょう!

上のレントゲン写真では、左下の奥歯が折れてしまっています。
治療回数の減少と治療期間の短縮を考え、抜歯をした直後にインプラントを埋入する計画を立てました。


上のレントゲン写真では、抜歯した直後にインプラントを埋入しました。
しかし、もともとの歯の直径(幅)よりもインプラントの直径(幅)の方が小さいため、インプラントと骨との間に隙間ができています。
この隙間を改善するために骨再生治療(GBR法) を行う必要性があります。


上のレントゲン写真は、インプラント埋入後8週間の状態です。
抜歯時にあったインプラント周囲の骨の欠損には 白く骨ができています。
さらに数ヶ月すると この白く再生した骨は 周囲の骨と識別できないようになってきます。
GBR膜を固定していたピンは取除く必要性があります。

I T I TE(R) インプラント症例
 次に 抜歯即時インプラントのために開発されたI T I TE(R) インプラントを見てみましょう!

上のレントゲン写真の奥から2番目の歯に痛みがあり、
診査結果、同部は、歯の根が割れていました。
治療回数の減少と治療期間の短縮を考え、抜歯をした直後にインプラントを埋入する計画を立てました。
また、I T I TE(R) インプラントを使用することにより骨再生治療(GBR法) を行わない治療法を選択しました。

  1. 一番奥は、以前にインプラントを行っています。


上の写真の奥から2番目の歯が折れています。
左側は、折れている状態です。
真ん中の写真は、インプラント埋入直後です。
右側は、抜歯後2ヶ月の状態です。
I T I TE(R) インプラントを併用することにより、抜歯から約2ヶ月で噛めるようになりました。


上のレントゲン写真は、治療終了時です。
一番奥のインプラントと比較すると 形態の違いがわかるかと思います。
この形態が 抜歯即時インプラントにおいてGBR法を併用しないでシンプルに行えるようになっているのです。

 

11.抜歯即時インプラントの前準備!
抜歯即時インプラントは、治療回数が少ないため、術者にとっても患者さんにとって有益な方法です。
しかし、全てのケースにおいて この治療法が適用できるのではありません。
この前の症例では、インプラントの幅(直径)と歯(抜歯部)の直径には 違いがあり、その幅を解消すべく インプラントの直径が広くなっている
『I T I TE(R)インプラント』を使用しました。
しかし、抜歯即時インプラントには、まだ問題があります。
それは、抜歯した場合、そこには 歯肉がないが開きます。
インプラントを埋入した後、歯肉とインプラントの頚部を密着させようと思っても 歯肉の穴の方が大きく開いてしまっている場合には 隙間がなく完全に適合させることが困難になります。
そうすると 密着していない部分から食物等が入り、感染を起こしたりする可能性が出てきます。
そのようなことを防止するために あらかじめ抜歯はしないが、歯を歯肉の中まで削り、一度歯を歯肉の中に埋めてしまいます。
そして、歯肉が治るまで3週間程度待ちます。
歯は、歯肉の中にある状態になります。(歯肉の中に埋まっているのです)
インプラントをする時には 歯肉をめくり、抜歯を行い、歯肉と密着させるか、歯肉の中に埋め込むことをします。
こうした方法を『抜歯即時インプラントにおける残根上歯肉の利用』といいます。
こうした話だけではわかりにくいと思いますので、図解していきます。

次に実際の症例を見ましょう!

 

12.最後に!
抜歯即時インプラントは、全ての症例に対応されるわけではありません。
現実的には、抜歯即時インプラントが適応されないケースの方が多いのです。
ほとんどの症例では、抜歯し、一定期間待ってから インプラントを埋込む方が多いのです。

例えば、骨吸収が大きい場合などは、インプラント埋入時に骨再生治療(GBR法) を行います。
このような場合には、抜歯即時インプラントは不適応になります。

また、歯の先に膿みが溜っているような場合でも抜歯即時インプラントは適応されません。
抜歯した部位(穴)の内部には、膿みが溜っているので、抜歯直後にインプラントを埋込んでしまうと、インプラントも膿みに触れることになります。
インプラントが感染するリスクが高くなりますので、基本的には 適応症とはなりません。

このような場合には、抜歯し、歯肉や骨の回復を待ってから
インプラントを埋込む方がリスクは低くなります。
ただし、少しでも抜歯した部位が早く治ることができれば、それだけ次のインプラント治療が早く行うことができます。
抜歯と同時に骨の回復が起りやすいようにする方法を
『ソケットプリザベーション法』と言います。
この詳細は、以下を参考にして下さい。
・ソケットプリザベーション法


 
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